保育園は大きく分けて公立保育園と私立保育園に分けられます。その違いをご存じですか?公立保育園の保育士は地方公務員で、私立保育園の保育士は、会社に勤める会社員ということになります。
公立保育園・私立保育園で働くには?
公立保育園で勤務するためには、保育士資格を取得後、各地方自治体の保育士採用試験を受験します。申し込み期間は6~9月くらいにあり、その後一次試験・二次試験へとすすんでいきます。自治体によっては三次試験まであるところもあります。そもそも欠員がでないと、採用試験自体を行わない自治体も多いです。そのため倍率は数十倍になるところもあります。合格後もすぐには採用にはならず、採用候補者名簿に登録します。登録後、各園から連絡があります。採用候補者名簿の登録有効期限が1年間のため、もし1年以内に連絡がない場合、再度保育士採用試験をうけることになります。
私立保育園の保育士は、各園ごとに採用募集があります。気になった園があれば、募集時期を問い合わせてみましょう。公立保育園と違い、私立保育園は園ごとに特色があるため、情報を集め、自分に合った園をみつけることが就職の鍵となります。
職員・勤務体系・環境の違い
公立保育園は、基本的に園ごとに大きな違いはありません。各自治体で決められた保育計画に沿って、公立園間で差が出ないように運営されています。また国によってきちんと保育士の人数が確保されているため、保育士不足による残業などはありません。延長保育を行うことは少なかったのですが、そこはニーズにこたえるために少しずつ行うようになってきました。しかし、何年かおきに、保育園だけではなく、子育て支援センターや児童福祉施設などへの異動もあります。一つの園にずっといるのは無理でしょう。公務員保育士は、待遇も公務員のため、昇給が定期的にあり、安定した職業です。そのため結婚出産などの転機をむかえても、職場に復帰する人が多いです。職場は、ベテランの職員が多く、また若手育成の研修などもあるため働きやすいでしょう。初任給は公立保育園でも私立保育園でもさほど違いはないようです。ただ公立保育園の保育士は公務員ですので、昇給や福利厚生は公務員と同じで、安定した待遇で働くことができます。
私立保育園は、園によって教育方針も環境もすべて違います。園の教育方針に合わせたカリキュラムで運営されます。また公立保育園に比べて年間を通して行事が多く、もちろんその分仕事量も増え、残業もあります。ただ、子どもとコミュニケーションをとることが増え、関わりが深くなります。また私立保育園は、比較的若手の職員が多く、エネルギッシュな職場で行事を盛り上げています。
公立の保育士は、公務員として定期昇給がありますが、私立の園はそれぞれの運営方針によるため、必ずしも定期的に昇給があるとは限りません。勤務年数や役職次第では、公立の保育士よりも年収で差がある場合もあります。職場は冷暖房などの環境の整っているところが多いでしょう。
公立保育園の民営化とは?
近年、公立保育園を民営化するそのため、公務員保育士は、採用人数が減ってきています。今いる園が民営化された場合、公務員職員は自治体内の施設に異動となります。その園には新しく保育士が採用され、その保育士は私立保育園の保育士と同じ立場となります。保育士としてずっと働いていきたいのであれば、私立の保育園に転職するという選択をする場合もでてきます。
まとめ
公立の保育士は、私立の保育士に比べて、公務員であるがゆえに安定して働きやすく、給与の面もよいというイメージがあります。そのため希望者は多いのですが、公立保育園の民営化が進んでいる今、必ずしも狭き門の公立保育士がよいとは限りません。私立の保育園も待遇の改善が国によって進んでいるため、今後働く環境や条件は良くなっていく可能性が高いです。どこで働くにしても、保育士という仕事には変わりありません。自分がどのように働きたいのかを大事に考え、自分に合った職場をみつけていきましょう。