保育士の労働環境は徐々によくなりつつありますが、他の職種に比べてまだまだというところも多いようです。保育の職場が原因で、自分は保育に向いていないと思ってしまう前に、自分に合った職場を検討してみましょう。今回は、訪問型の仕事について紹介します。
病児保育士(訪問型)
病児保育士は、お子様が病気になった時、保護者の代わりに依頼者のご自宅でマンツーマンにて子供の看病をするお仕事です。少し前にドラマになったので、認知度があがったかもしれません。依頼者のご自宅で、お子様の看病をするので基本的に持ち帰りの仕事などはありません。お子様の年齢は、病気になりやすい0歳児~2歳児くらいが多いですが、小学生まで対応する場合もあります。保育士が医療行為をすることはありませんので、お子様を病院に連れて行ったり、お子様の体調に合わせて室内遊びをしたりします。食事は保護者の方が用意したご飯やおやつを食べさせます。病気で気持ちも滅入っているお子様にとっても、慣れた自宅でゆっくり休むことができるので、保護者の方も安心です。病気のピークが過ぎたお子様は、病児保育士とマンツーマンで遊んでもらえるので、楽しそうにしてくれることが多いです。ただ、病気のお子様を預かるため、病児保育の実務経験もしくは子育て経験を必要としていることが多いです。
病児保育士という国家資格はありませんが、民間の資格として「認定病児保育スペシャリスト」と「認定病児保育専門士」という資格があります。
認定病児保育スペシャリストとは
認定病児保育スペシャリストとは、日本病児保育協会が認定する日本初の病児保育のプロになるための資格です。資格取得のためには、保育士資格の有無は関係なく、
- 高校を卒業している18歳以上
- 認定病児保育スペシャリストの資格取得のweb講座を受講し24時間の実習を終えた方
認定病児保育士とは
認定病児保育士とは、一般社団法人全国病児保育協議会が認定している資格です。こちらは、
- 「病児・病後児保育室に勤務する保育士・看護師を対象とし、全国病児保育協議会加盟施設に常勤として2年以上勤務、非常勤として2年以上施設に勤務し、週20時間以上の実働を有する者」「施設長から全国病児保育協議会所定の施設長推薦状において、推薦を受けることができるもの
- 病児保育専門士認定講座をすべて受講したもの
- その他、施設長が以上の条件と同等に値すると思われるものを推薦し、なおかつ受験資格認定委員会で承認されたもの
どちらの資格も国家資格ではなく、民間の資格となり、就職に有利になるとは限りませんが、自分のスキルアップのためには、所得しておいてもよいかもしれません。
障害児保育士(訪問型)
医療的なケアが必要なお子様を預かってくれる保育園はまだ多くはありません。そのため、保護者の方は仕事を続けることができず、家でお子様のケアをしていることが多いです。通所施設でも長時間のお預かりをしているところは多くありません。そのため、保護者の方の精神的負担・肉体的負担は非常に大きくなります。その中で、ご自宅に訪問してくれる保育士がいれば、保護者の方は仕事を辞めずに働くことができます。保育士としても、マンツーマンで向き合うことで、お子様の小さな変化に気づくことができ、保護者の方と一緒に成長を感じることができます。持ち帰りの仕事や夜勤の仕事は、ほぼないといえるでしょう。
ベビーシッター(訪問型)
保育園への入所がなかなか難しい地域では、ベビーシッターに自宅にきてもらい、お子様を保育してもらうケースも多くなっています。ベビーシッターは登録制となっているところが多いですが、ベビーシッターという資格はありません。
数多く登録しているベビーシッターの中で、保護者の方として一番安心していただけるのが保育士の資格を保持している方ではないでしょうか。ただデメリットとしては、働き方を自由に選べるかわり、ベビーシッターとしての正社員としての募集はあまりありません。契約社員もしくはアルバイトといった雇用形態が多いです。
まとめ
今回は、保育園以外の職場として、訪問型の仕事を紹介してみました。訪問型は、ほとんどがマンツーマンでの仕事のため、お子様と向き合う時間がながく、個々をしっかりとみることができます。しかし、他に頼る人がすぐ近くにいるわけではないので、体調の変化などによっては臨機応変な対応力が求められます。